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広島市で発生した土砂災害は、多くの建物が一瞬のうちに崩壊し押し流され、死者70名を越える大惨事となった。

(1)特別警戒区域がむしろ安全?

新聞報道によると、今回の被災地は、「土砂災害危険箇所」ではあったが、その多くが「土砂災害警戒区域」や「土砂災害特別警戒区域」には指定されていなかったという。

このような記事を読むと、「特別警戒区域」が大変危険な所で、「警戒区域」が割と危険な所で、「危険箇所」は少し危険な所という感じを持たれる方が多いのではないかと思う。
すなわち「特別警戒区域」は危険度大、「警戒区域」は危険度中、「危険箇所」は危険度小、というランク付けである。

しかし実はそれは間違っている。
これらの公表や指定の経緯を見ると、先ず「危険箇所」が公表され、それを受けて、「警戒区域」や「特別警戒区域」が指定されていったのだが、その指定作業は十分には進んでいない。
「警戒区域」に指定されれば、自治体主導で区域内住民に対する危険周知や避難態勢の整備が行われる。
また「特別警戒区域」に指定されれば、それらに加えて宅地造成や住宅建設について一定の安全性を確保するよう、実際の設計上、築造上の規制が行われる。

つまり「危険箇所」の内、「警戒区域」や「特別警戒区域」に指定された所は、それなりに有効性のある防災対策が行われるのであるが、これらに指定されていないところは、全く無防備なままなのである。
調査がなされた上で、危険が少ないから「警戒区域」などに指定しなくてもよいと判断されたのでは決してない。
ただ、指定が色々な事情で(中には資産価値が下がる恐れがあるという理由で、住民自身が指定を拒否する、すなわち防災対策を拒否するということも多いと聞く)、まだ行われていないにすぎない。

したがってそのような現状を考慮すると、住むにあたっては、建物や土地造成の実際的な安全上の規制が行われている「特別警戒区域」が一番危険度が少なく、危険の周知や避難態勢の整備などが行われている「警戒区域」が次に危険度が少なく、何も行われていない単なる「危険箇所」が一番危険であるということになる。

もし皆さんが、分譲土地や住宅を購入しようとお考えなら、その点を理解した上で、よく調べてみる必要がある。
まず「土砂危険箇所」でないかどうか。(各自治体に問い合わせればすぐわかる。)
もしそうであったら、「警戒区域」や「特別警戒区域」に指定されてるかどうか。
指定されていれば、その規制などにしっかり準拠した築造が行われているかどうか。
そして「危険箇所」であるにもかかわらず、「警戒区域」や「特別警戒区域」に指定されておらず、何の対策も施されていない場所の土地や建物であるならば、それが最も危険であると思った方がよい。
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