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建築家であり 音楽愛好家でもある 私の雑記帳

「何か防音室に特別なことをしてあるんですか?」

先日、私どもが作った音楽ルームのオーナーさんから、次のようなメールが来ました。
(個人情報に当たる部分は少し略していますが、ほぼ原文のままです)

「きょう、私の防音室を 演奏活動をしておられる ヴァイオリン、チェロ、ピアノ の トリオの方が 使ってくださいました。
終わったあと 『こういうところは すぐにクッと耳に圧迫感が来るのだけれど ここは音の響きがとてもよかった ○○(公共の音楽ホール)の練習室よりも こちらの方がかなり良い』 と 口々におっしゃいました。
先日も 演奏活動もされているピアノ講師の方に『とても響きがいいのだけれど 何か防音室に特別なことをしてあるんですか』と きかれました。
耳のこえた方々に 褒めていただいています。本当に嬉しくて 改めて 感謝しています。
嬉しくて 報告したくなりました。」

このようなメールをいただき、こちらもたいへん嬉しくなって感激しましたが、この「何か防音室に特別なことをしてあるんですか?」というのは、実はよく言われることなのです。
その答えは、ある程度特別なことはしています。それは壁・天井・床における吸音要素と反響要素の配置です。たとえ狭い空間であっても広く感じられて、音に伸びやかさや余裕感、潤いを与えるノーハウがあるので、それを駆使していることは事実です。(具体的なことは、この場ではお伝えすることができませんが、いわば優れた楽器製作者が持っている独自の技法のようなものです)

とはいえ、長年音楽ルームづくりをやっていますと、部屋を見れば音が想像できるようになります。(それは私自身が楽器を演奏する音楽愛好家で、いろんなところで部屋の音響を体験しているからかもしれませんが)
新築の場合だけではなく、既存の部屋をリフォームして防音室にする場合でも、工事前の部屋の形を見れば、完成後の形と音がイメージできます。またクライアントさんとお話をして、演奏される楽器のことを聞いたり、どんな音楽がお好きかということを聞けば、どのような音にすればよいかがわかります。

このような感性は私だけでなく、当設計室において実際の防音工事を担当する三宅や片山も同じように、いや私以上に持っています。このことが、音楽ルームづくりにはたいへん重要なのです。
上記のノーハウも、そのような感性があっての上で生きてきます。
そういう意味では、やっぱり私の設計室が創る防音室は「何か特別なことをしてある」と言えるように思います。
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プロフィール

 遠藤 真

Author: 遠藤 真
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建築家(一級建築士)
建築音響アドバイザー
兵庫県神戸市在住
遠藤 真・安田倫子 設計室
主宰
http://www.me-arch.jp/
Eメール: endo@me-arch.jp
あしたの住まい・設計フォーラム
代表
------------------
音楽演奏家(アマチュア)
主にバロック音楽奏者として
ヴィオラ・ダ・ガンバ
フラウト・トラヴェルソ
ブロックフレーテ(リコーダー)
を演奏
神戸ホルボーンアンサンブル主宰
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